2012年6月21日木曜日

アフターファイブ

   「アフターファイブ」と日本語で言うと、夕方5時以降の時間帯をさしますが、ここではその話題ではなくてビルダー(大工さんとでも言いましょうか)とのやり取りの話。

    特に最近ロンドンでは英語を母国語とするイギリス人のビルダーは無に等しく、私も人のことは言えませんが、みな英語は片言なのです。今日、屋根とトイレと窓の修理にやって来たビルダー達のボスがその片言英語で、その手下どもは英語を全く話せない人ばかり。その手下たちとは、親指と小指を立てて「電話」と言ってみたり身振り手振りでコミュニケーションを試みるのです。

   その手下どもだけを残してボスは立ち去り、ガタガタ音はするものの、一向に終わる気配がありません。随分かかるなぁと思いつつ、しばらくするとその手下どもの一人が「ア~」と言いながら私と話をしようとやって来ました。そのビルダーは、ビルダーが使いそうな用語は多少知っているとは言えやはり究極の片言英語で、どうやら部品を交換しなくちゃいけないと言っているという事までは身振り手振りで解釈したものの、次回のアポをいつにするかという段階で今日の夕方か明日の午前中という話になり、「明日の朝は都合がつかない」と伝えたいのですが、全く理解してもらえず、ボスの電話番号をもらっていたので、そのボスに電話をするという旨を何とか伝え、その手下どもは帰って行きました。

   そのボスに電話し、事情を話すと「今部品を買いに行っているから、部品があればその後に手下を送るよ。また後で電話する」との事。暫くして電話がかかってきました。「部品があったから同じ手下がアフターファイブに到着するよ。」と言うのです。英語でも"after 5"と言えば夕方に限らずですが日本語と同じく「5時以降」をさし、その時点で4時近かったので「分かったわ。5時以降に来てくれるのね」という意味で"so he will be back after 5 o'clock?"と返事を返しました。

     しかしそのボスは「違う違う、アフターファイブだってば」と"after 5"を連呼するのです。「は?」と目が点になりつつ、その手下との身振り手振りのコミュニケーションの中で指を5本と10本立てて「ミニッツ」と言っていた事を思い出し、「あ、5分後って言う事ね」という意味で"You mean he will be back in 5 mins, don't you?"とそのボスに返答をすると、「だから最初からアフターファイブって言ってるじゃないか」との事。

   そのボスは別に悪い人という事ではなく、この様な事はスーパーのレジや店頭でもよくある事で、そういう人たちを見ていると、共通語である英語は喋った者勝ちなんだなぁとつくづく思います。ここで彼らの英語を指摘しても仕方ないのでそのまま聞き流しますが、日本人もこのくらい間違った英語を怖がらずに言い放つ事がコミュニケーションの上達に繋がるのかも知れないと、こういったことが起こる度に思います。

   ちなみに窓や屋根の修理はビルダーが行い、トイレなどの修理を行う人たちをプラマーと言いますが、トイレの修理をしていた人も自分はビルダーだと言っていた(と思う)ので、ここではあえて言い分けをしませんでした。

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