2010年4月30日金曜日

World Beer Cup 2010

  90種類ものアメリカのビールカテゴリーの中で日本のビールが5つのメダルを獲得したようです。つい先日頂いた沼津ラガー(写真)はアメリカンスタイル・アンバーラガー部門で1位でした。アンバーラガーと言われればこのお味も納得です。

Category 8: Specialty Beer, 27 entries
Gold: Country Girl Kabocha Ale, Baird Brewing Co., Numazu, Japan
Silver: COEDO Beniaka, Coedobrewery Kyodoshoji Corp. Ltd., Kawagoe, Japan
Bronze: Maple Tripple, Lawson Finest Liquids, Warren, VT

Category 21: Smoked Beer, 35 entries
Gold: Caldera Rauch Ur Bock, Caldera Brewing Co., Ashland, OR
Silver: Smoke Ale, Rogue Ales, Newport, OR
Bronze: Fujizakura Kogen Beer Rauch Bock, Fujikanko Kaihatsu Co. Ltd., Minamitsuru, Japan
 
Category 36: American-Style Amber Lager, 24 entries
Gold: Numazu Lager, Baird Brewing Co., Numazu, Japan
Silver: Upland Oktoberfest, Upland Brewing Co., Bloomington, IN
Bronze: Riverwest Stein, Lakefront Brewery, Milwaukee, WI
 
Category 42: Belgian- and French-Style Ale, 57 entries
Gold: Saison Sayuri, Baird Brewing Co., Numazu, Japan
Silver: Saison du Bastone, Bastone Brewery, Royal Oak, MI
Bronze: Fluxus ・9, Allagash Brewing Co., Portland, ME

全ての結果はこちらからどうぞ。
http://worldbeercup.org/winners.html

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2010年4月29日木曜日

Fuller's ESB - The Tipplers Arms

ALC. 5.5%? UK brewed by Fuller's
   お天気が良かったので、六本木で映画の帰りに麻布十番のThe Tipplers Armsへ。今日はフラーズのESBがありました。 ESBとはExtra Special Bitterの略ですが、Extra Strong Bitterと勘違いしてしまうのは私だけでしょうか?
   最近ちょうど17〜18世紀のイギリス文化の本を読んでいるので、テーブルの上のESBを味わいながら、その時代に流行り始めたホップ入りのエールはこんなお味だったのかしらと思わされる様なお味です。ボトルのESBよりも苦味が主張し過ぎず、モルトの風味もしっかり主張しています。ビールの温度が室温に近づくにつれ、フルーティさとナッツの風味が強くなり、お味に深みが出て来ます。
   更に樽は昨日の夜開いたばかりだそうで、普段ESBを避けて通る私ですが美味しく頂きました。

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2010年4月28日水曜日

フォリー・ベルジェールのバー 続き

もうそろろそこの美少女の顔を眺める事も、ビールの様におなかいっぱいになって来たと仰られるかも知れませんが、先日友人が素敵なサイトを発見して下さいましたので、まだおなかいっぱいになっていない方はぜひご覧になってみて下さい。
名画のPC壁紙のサイトですが、絵画の解説も書かれています。見る人が100人いれば、考え方も100通りですね。
http://stephan.mods.jp/kabegami/kako/A_Bar.html

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2010年4月25日日曜日

ビールとエールとラガーとビター その2

 
前回の「ビールとエールとラガーとビター その1」の続きです。

 前回は現代のビールとエールとラガーとビターの言葉の解釈を述べましたが、今日は少しばかり過去にさかのぼってみたいと思います。イギリスエールの歴史の中で、大きな影響を与えたもののうちのひとつが「ホップ」であることから、まずはホップがイギリスに導入された辺りの時代にさかのぼってみようと思います。

  ここでいう“ビール“とは特に表記がない限り、前回の現代の解釈で記したビール(大意のビール)の意味として用いています。

 オランダ人やベルギー人によってホップを製法に用いたビールがイギリスにもたらされたのは、15~16世紀の頃とされています。その当時は、イギリス人がもともと愛飲していたホップを使わないビールを「エール」とし、ホップを使った新しいビールを「ビール」と呼んで使い分けていた時期、地域があったそうです。

エール - ホップの入っていないビール
ビール - ホップの入ったビール

 この外国人が持ち込んだホップを使った「ビール」がイギリスでも作られ始めた頃は、イギリス人はこのホップ入りのビールをなかなか受け入れる事が出来ませんでした。今となっては考えにくい事ですが。その大きな理由は2つあると思います。

 1つは、純粋に味に対する慣れや嗜好の問題。イギリスには十分に美味しい慣れ親しんだ「エール」が既に存在していた訳ですし、さらには元来保守的な傾向にあるイギリス人が、わざわざそれに混ぜ物をする必要はないと思ったとしても不思議はありません。

 もうひとつは、経済的な問題です。「ビール」が広く飲まれることとなれば、「エール」の生産や販売に関わる人たちにとっては死活問題だったはずです。ホップ入りの「ビール」がイギリスで流行り始めた頃、外国人が持ち込んだ新しい「ビール」に対する風当たりは相当厳しかったようです。

 ある時は「エール」醸造者で作られた組合によって嘆願書が出され、昔から伝わるイギリスエールの醸造にホップや他のハーブを混入してはならないという禁止令が出されました。それに逆らってエールにホップを混入させた者には罰金が科されたそうです。また、カトリック教徒だったのにも拘らず6人の奥さんを持った事で有名なヘンリー8世も、お城の醸造者にホップの使用を禁じました(ヘンリー8世の場合はカトリックローマ教会から破門された事に対抗して修道院の解体を進めたいという意味も含まれていたのでしょう)。

 このようなお話は実はイギリスに限ったことではなく、ドイツでは「グルート」というビールがすでに存在し、利権がからんでホップのグルートへの使用を厳しく禁じる法律が作られました。

 時を同じくした15世紀ごろ、ドイツの南部のミュンヘンでは新しい醸造方法が編み出され、“貯蔵”を意味するラガーという言葉が生まれました。

ラガー - 4~13℃の低温でじっくり長期間発酵させる下面発酵の醸造方法で造られたビール

 但し、この時期造られたラガーは赤みのある琥珀色のビールで、現在私たちが思い浮かべるラガーの様に透き通った黄金色になるのは、いまやラガーを代表するビールであるピルスナーが登場する1842年まで待たなくてはなりませんでした。

 次回は「ビター」について書こうと思ったのですが、その前に「ポーター」やフランス人の「ルイ・パスツール」について書こうかなぁと思っていますが、まだ決めていません。

 前回同様、表記・表現の仕方等に不都合がございましたらコメント頂ければ幸いです。まれにコメントボタンがうまく作動しないときがあります。その際はEメール頂ければ幸いです。
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2010年4月22日木曜日

グランビエール2010

とうとう明日夜からグランビエール2010です。色々な種類のビールが試飲出来るそうですので、お友達と飲み比べをなさるのはいかがですか?
詳しくはこちらから。↓↓
http://www.beertaster.org/gb/date.htm


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2010年4月19日月曜日

沼津ラガー

ALC. 5.2% Japan brewed by ベアードブルーイング
ラガーというので、日本で一般的に見られるビールを想像していたのですが、写真の様にクリアなゴールデンではなく、素敵な銅色でした。無ろ過なので多少の沈濁はありますが、イギリスエール好きにはたまらない見た目となっています。 さて、お味の方は、ラガーという割にはとってもモルティで、苦味は抑えられており、華やかささえ感じます。
以前にロンドンで頂いたDeuchars IPAのお味にとても近いです。
暑い夏になったら発砲性を強めて冷やして頂くと、素敵なラガーになる気がします。
こちらでもかなり人気だそうで、回転は早いようです。

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2010年4月18日日曜日

カラマリ - T. Y. Harber

ダンナ様が先週お邪魔したばかりの天王洲にあるT. Y. Harberにまた行きたいと言うのでやって来ました。今日はレストランではなくバーにて、先日も頂いたペールエールと一緒にカラマリを頂きました。衣がカリッとしていて、あまり脂っこくなく、大きなサイズのレモンが添えられているので、レモンをたっぷり絞って頂くとさらにあっさりとしたお味になり、ペールエールの味の深みを邪魔し過ぎず、ビールが進む一品でした。
ちなみにレストランとバーではフードのメニューが違います。

フォリー・ベルジェールのバー 解説 3/3



   二夜連続でCharlie氏の「フォリー・ベルジェールのバー」の解説をご紹介致しましたが、こちらで最後となります。


   まだご覧になっていない方は、
まずはこちらを↓ご覧下さい。

フォリー・ベルジェールのバー 解説 1/3
フォリー・ベルジェールのバー 解説 2/3

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コートールド・インスティチュート美術館

フォリー・ベルジェールのバー」が飾られているコートールド・インスティチュート美術館は、英国国立美術館正門から左手に出て、ストランド通りを歩きほど近い立地にあります。国立美術館から近いということ以外にも、訪問すべきだという素敵な理由が幾つかあります。一つは、大きくないということです。国立美術館は所蔵する絵画の量が多く、勿論それは素晴らしいことですが、あまりの情報量の多さに、見ているうちに疲労感が増してしまいます。これに対して、程よい大きさで良質の絵画を有する美術館があります。それらは総じて裕福な個人のコレクターによるもので、鑑識眼に優れ、秀でたセンスによって集められた絵には一定の統一感があり、程よい数の絵は見る者を疲れさせません。さらには時間をかけて、何度も同じ絵を訪れ自分の印象を確かめることができます。米国ニューヨークでは、メトロポリタン美術館に近いフリック美術館にも同様の趣が感じられます。

コートールド・インスティチュート美術館の創始者であるサミュエル・コートールドは、フランスからイギリスへ移住してきた豊かな家系に生まれ、絹織物の会社を興し大きな成功を収めました。印象派と後期印象派の良作を中心に質の高いコレクションを有しており、サミュエル・コートールドの高い鑑識眼を証明するには充分な内容となっています。ここまでお話ししてきた「フォリー・ベルジェールのバー」(1882)のほかにもマネの代表作の一つである「草上の昼食」(1862)(但し、ルーブルのものとは異なり若干小ぶりでモデルも異なる)、セザンヌの「トランプをする男たち」(1890年代に同じモチーフで5点描かれたうちの一点)、「化粧をする若い女」(1889)など多くのスーラの作品、ゴッホ、ゴーギャンと、手狭なロンドン大学周辺から移設されてきたとはいえ、いまだ広いとは言えない展示会場に余すところなく名作が展示されています。サミュエル・コートールド自身、熱心な絵画の研究者でしたが、1931年にこれらの絵はロンドン大学に付属する財団の管理するところとなり、1958年から美術館として公開されてきました。

私がこの美術館を愛するもう一つの理由は、飾られた絵と見る自分との距離が近いことです。オルセーに移設される前の印象派美術館を訪れたのは私がまだ学生の頃でしたが、何よりも驚いたのは人類が誇るべき掛けがえのない名画が、個人の邸宅を思わせるほど良い大きさの部屋の中に手に届く距離で無防備に置かれていることです。見る者への強い信頼感や期待とともに、絵とは本来、このようにプライベートな距離と空間のもとで鑑賞されるべきものであるということが解りました。ここ、コートールド・インスティチュート美術館も、時間を選ばなくとも、そう混んでいるわけではありません。望むらくは、もう少し低い位置にこの絵を掲げて欲しいと思うことはありますが、それでも誰に邪魔されることもなく、マネが最晩年の思いを託した虚空を眺めるバーメイドとの二人だけの贅沢な時間を過ごすことができます。

前回、私が訪れたのは冬のことでした。この美術館がある灰色の石造りのサマーセット・ハウスの中庭には特設のスケート場が設けられており、美術館に向かう私の横を、毛糸の帽子をかぶった母と娘が白い息を吐きながら連れ立って歩いていきました。


(2010年4月11日)

= 参考文献 =
Manet Face to Face, Coutrauld Institute of Art
印象派美術館 小学館
近代絵画史 高階秀爾 中公新書
フランス絵画史 高階秀爾 講談社学術文庫
美術館へ行こう 長谷川智恵子 求龍堂
世界美術館巡りの旅 長谷川智恵子 求龍堂
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      いかがでしたでしょうか?こうしてCharlie氏から頂いた解説を読んで、改めてこの絵を眺めてみると、「菫の花束をつけたベルト・モリゾ」を始めとするベルト・モリゾの肖像やメリー・ローランをモデルにした「秋」、または「プラム」などの様に、女性の一瞬の美しさや憂いをこの絵の中でも表現し、「シャクヤクと剪定ばさみ」などの花ものや、「レモン」と「4個のリンゴ」など、マネが得意とされた静物画もこの絵の中に取り入れられている事が伺えます。さらにマネは何とかサロンで高い評価を得ようとしていたのにも関わらず、なかなかマネの思う評価を与えなかったブルジョアジーの人々を「チュイルリー公園の音楽会」の遠景の様な描き方でこの絵の背景として描いるのではという気分にもなり、もうひとつ想像するならば、バーメイドの右手にある腕輪は「オランピア」のモデルの右手に付けられている腕輪にも見える気がします。
本当にこの「フォリー・ベルジェールのバー」は、たくさんの要素が含まれていて、まさにマネの最期の作品として、マネが全てをつぎ込んだ作品であったのかもしれないと思いを馳せていると、いつのまにか夜も更けてしまいそうです。

  最後に、お忙しいにもかかわらず、私のブログにお付き合い頂いたCharlie氏には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

   この絵を眺めていて新たに発見した要素や、ご感想・ご意見などをお寄せ下さい。お待ち致しております。
Email to: elizabeth.shikibu@gmail.com


 

2010年4月17日土曜日

フォリー・ベルジェールのバー 解説 2/3



    昨日に引き続き私の知人Charlie氏による「フォリー・ベルジェールのバー」の解説です。


    昨日の解説をまだ読んでいらっしゃらない方は、こちらを↓先にご覧下さい。

フォリー・ベルジェールのバー 解説 1/3

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コラージュ的構成

この絵は、長い時間見ていても飽きることのない絵です。この絵があるコートールド・インスティチュート美術館の二階の一室には、絵の正面に木で出来た長椅子が用意されています。以前はその椅子の上に解説書も置かれていましたが、それはいつの間にか撤去されてしまいました。絵は部屋の中央、窓の反対側の壁の高い位置に掲げられて、椅子に座ってゆっくり眺められるようになっています。

バーメイドから眼を転ずると、近景であるバーのカウンターの上には、向かって左からスコッチ・ウィスキーのボトル(ラベルにマネの署名と制作年が描かれている)、ワインやシャンパンのボトル、また、それに挟まれてバス・ペール・エールの特徴的な赤いトライアングルのラベルも見えます。また、バーメイドの右手には薔薇が挿されたグラス、果物が盛られたガラスの台が描かれ、その右手にはアルコール類のボトルが絵の縁まで並んでいます。

遠景は全面鏡となっており、カウンターに置かれたボトルの一部が映り込んでいますが、舞台に見入っている観客や、恐らくは会話を楽しんでいるであろう人々が、荒いタッチで描かれています。この絵の舞台は、カフェ・コンセールと呼ばれる、出し物を見ながらお酒を楽しめるお店だと申し上げましたが、絵の左上には軽業を演じているであろう演技者の足だけがブランコとともに、申し訳程度に描写されています。また、遠景右側の大半には、このバーメイドが男性客と話している様子が映り込む形で表現されています。

カウンター上に描き込まれた様々な静物は、それだけを切り出しても充分に絵として成立するほど丁寧に描かれています。96センチ×130センチの大きさのキャンバスに描かれているこの絵を眺める人は、これらの静物ひとつひとつをあたかも一つの絵のように、視線を移動させていくことになります。特に薔薇とグラスの表現は素晴らしく、まるで、この絵のもう一人の主人公のようです。この部分だけを切り出したマグネットがこの美術館で売られています。勢いのあるタッチで描かれた屈託のなく咲き誇る薔薇とグラスの冴えた輝きは、物憂げなバーメイド表情と好対照をなしています。この絵を描いているころから翌年に亡くなるまでの間に、マネは療養先の庭に咲く花や、友人から送られた花や果物を描いた小品のシリーズを残しています。病に伏せたマネにとって、このような静物を描くことには特別の思いがあったのでしょう。マネのガラス器に挿された花に対する愛情が、そこだけスポットライトに照らされて浮かび上がってくるように思われます。

また、良く見ると、その薔薇を挿したグラスとそのとなりの果物を乗せた食台は厳密には同一の視点から描かれたものではないように見えます。

遠景に目を転ずると、鏡の汚れもあり、観客たちは荒いタッチで描かれ、これもまた別の絵のようです。さらには遠景右側の男性客と話すバーメイドの後ろ姿は、正面にあるバーメイドの正確な後ろ姿ですらありません。これはこの絵画の一つの謎と言われてきました。前述した他の習作やこの絵のエックス線写真像をみると、恐らく、この後姿の像の方が当初描かれたモチーフであり、その後、前を向いているバーメイドは絵を見る人に対して正対させましたが、鏡に映り込む姿の形状は概ねそのままとし、絵の右端方向に移動させたものと推測されます。

このような各所に散らばる多くのモチーフやそれぞれのタッチの違いから、絵全体がコラージュ的な構成となっており、絵全体に複雑性・複層性を与えるとともに、物語を紡ぎだしています。このような味わいが見ている者にじわじわと伝わってくることも、私がこの絵からなかなか立ち去ることが出来ない理由となっています。

to be continued ....

フォリー・ベルジェールのバー 解説 3/3


 

2010年4月16日金曜日

フォリー・ベルジェールのバー 解説 1/3


  フォリー・ベルジェールのバーについて先日少し書きましたが、私の知人、Charlie氏がその絵の解説を書いて下さいました。ありがとうございます。絵画に関して知識のない私向けに、時代背景も含め、丁寧にご説明下さっています。3部構成になっていますので、今日から三夜連続3回に分けて紹介させて頂こうと思います。

  あまり絵にご興味のない方でもぜひビール片手にご覧になってみて下さい。この解説を読んだ後に再度絵を眺めると、色々なものが見えてきて、本当に素敵な絵である事を再認識させられます。文中の関連事項にはご参考までにリンクをはりました。

ぜひ感想をお聞かせ下さい。
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「フォリー・ベルジェールのバー」

  「フォリー・ベルジェールのバー」は、ロンドンを訪れる時に必ず再会する事を決めている二枚の絵のうちの一枚です。自分が何故この絵にここまで魅かれるのか、「バーメイド」、「コラージュ的構成」、この絵が飾られている「コートールド・インスティチュート美術館」という三部構成でお伝えしたいと思います。お時間のある方は少しお付き合いをいただけますでしょうか。

バーメイド

この絵の中央に描かれているバーメイド(女性のバーテンダー)の物憂げな眼差しに、吸い込まれる様な気持ちになるのは自分だけではないでしょう。絵がお好きな方はご存知の通り、この絵を描いたエドゥアール・マネ(Édouard Manet、1832-1883)は、モネ(1840-1926)、ルノワール(1841-1919)、あるいは、ドガ(1834-1917)、セザンヌ(1839-1906)らとともに、19世紀後半から20世紀初頭にかけて広がった、それまでの伝統的な絵画の在り方に反旗を翻した「印象派」と呼ばれる潮流を代表する画家の一人です。この絵は、マネが亡くなる直前の1882年にかけて描かれました。既に病気のために歩くことすらままならない有様で、この絵を描くためにアトリエにセットを組み、モデルが呼び込まれたそうです。自分の余命が長くはないことを意識していた彼は、この絵が自分にとって最後の絵になるかもしれないとの思いがありました。マネはこの絵を描き上げた翌年、1883年にパリで亡くなりました。

この絵の舞台は、カフェ・コンセールと呼ばれる、出し物を見ながらお酒を楽しめるお店です。そこのバーが描かれています。19世紀の後半にパリで広がったこの種のお店は、しばしばマネの絵の題材とされてきました。絵からも一種の社交場といった雰囲気が伝わってきます。盛装に身を包んだ人々でごった返し、賑やかな雰囲気の中、観客席の最前列にはオペラ・グラスを掲げ、出し物に見入る女性の姿も見えます。

しかし、マネが主題として描こうとしたのは、その様な華やかな光景ではなく、むしろ、一人沈黙するバーメイドでした。マネは、この絵の下絵として習作を残していますが、そこに描かれた女性は、もっと艶めかしく、そして絵の正面を向いていません。マネはこのバーメイドを意図的に絵を見る人たちに正対させるとともに、素朴で物憂げな表情を与え、描き込みました。特に髪の毛や襟周りのレースは丁寧に描かれています。

このバーメイドが身に付けている給仕服は、マネが好んだ黒色です。しかし、それは、「笛を吹く少年」(1866)や「アトリエの昼食」(1868)、あるいは「エミール・ゾラの肖像」(1868)に見られる浮世絵の影響を受けたと言われる漆黒の平面ではなく、明るいトーンの白色によって陰影を与えられた生き物として描かれています。強いて言えば、「菫の花束を付けたベルト・モリゾ」(1872)の着衣に用いられた画法に近いものが感じられます。モリゾは印象派を代表する女性画家の一人ですが、画家として9歳年上のマネの影響を受けるとともに、この絵が描かれた2年後にはマネの弟のウジェーヌと結婚するなど、マネと近しい関係にありました。この絵のモリゾの表情には陰影が明確に与えられ、「マネらしくない」と言われているようですが、こちらの「フォリー・ベルジェールのバー」のバーメイドの表情にもきちんとした陰影が、より詳細なタッチで描かれています。

マネが自分の死を意識した絵の中で、「マネらしくない」画法を用いたことに、マネの思いが垣間見られるように感じられます。「草上の昼食」(1863)や「オランピア」(1863)などによって、スキャンダラスな画家というレッテルを貼られ、また、平面的な表現に革命家という称号を贈られたマネでしたが、そんな彼が、その時そのままの感動を飾らない言葉で語りかけてくることに、少し驚きを感じながら素直に共鳴することができます。恐らく、モリゾを描いた時も、そのままの彼女を残したいという気持ちが、絵の構成表現に関する意識を上回ったのではないでしょうか。その切実さが、私の心を揺さぶるのだと思っています。

to be continued ....

フォリー・ベルジェールのバー 解説 2/3

 

Irish Red Ale - 軽井沢高原ビール

ALC. 4.5%? Japan brewed by ヤッホーブルーイング
まさにこの見た目どおりのお味がします。季節もののビールですので、見つけ次第お試し下さい。
ダンナ様がオーダーしたので、私は一口頂いて味見をさておき味わいを楽しんでしまいました。
缶の裏の能書きもぜひ読んでみて下さい。

2010年4月13日火曜日

ビールの肴に...

シンプルなのですが、確かにそう書いてあったかもと思うと、思い出し笑いでビールお替り出来そうです。我が家のダンナ様の友人がこの様なものを見つけては送ってくれます。
http://i.imgur.com/PWIrg.jpg

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2010年4月11日日曜日

ペールエール - T.Y. Harbor

ALC. ?? Japan brewed by ティー・ワイ・エクスプレス
website: http://www.tyharborbrewing.co.jp/brewery/beer_taste.html
T.Y.ハーバーにて二杯目です。こちらのペールエールは定番のビールで、苦味が少なくフルーティさが全面に出ています。 これで炭酸が少なければ、イギリス定番のペールエールと同じと言えるでしょう。

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ハニーエール - T.Y. Harbor

ALC. ?? Japan brewed by ティー・ワイ・エクスプレス
website: http://www.tyharborbrewing.co.jp/brewery/beer_taste.html
いつもT.Y.ハーバーにお邪魔すると、ビールを楽しむ事に忙しくて、ブログの事をすっかり忘れてしまいますが、今日は忘れませんでした。 シーズナルビールとしてハニーエールがありましたので早速トライしてみました。 口当たりはほんのりフルーティで甘味もほのかに感じます。ビールの苦味も思いの外しっかりしていて、バランスの取れたお上品なビールだと思います。 まだ寒さの残る晴れた日のランチに最適かも知れません。

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2010年4月9日金曜日

タコの炭火焼ガリシア風

今日もまた自由が丘の縁ラヴィーダへ。お野菜中心の小皿料理が美味しいお店で、グラスワインも豊富に取り揃えてあります。ビールはクルスカンポとバスペールエールのボトルと、生ビールがありますが、ビーラーとしたことが、何の生ビールだかは忘れてしまいました。
小皿料理はどれも美味しいのですが、タコの炭火焼ガリシア風という何味なのか分からないものを頼んでみました。それがこちらです。
炭火焼したタコのぶつ切りにパプリカをまぶしたというシンプルな料理なのですが、このパプリカのほのかなスパイシーさがビールにとても良く合います。
付け合せとしてグリルしたジャガイモがタコの下に埋まっていました。メニューは随時変更になっているみたいなので、ご興味のある方はお早めに。
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2010年4月6日火曜日

明日葉の天ぷら

今日は鎌倉にある鎌倉投信という投資信託会社にて、「結い2101」という直販ファンドの説明会に参加してみました。説明会の終わりに一緒に参加した友人と雑談をしていたら、役員の一人の方が、「明日葉持って行きません?」と、鎌倉投信の敷地内に自生している明日葉の美味しそうなところを切って持たせて下さいました。新鮮なうちに召し上がって下さいとの事でしたので、早速天ぷらにしてみました。
この天ぷらは、基本的に自宅で揚げ物をしない我が家でのお野菜の天ぷらの方法で揚げました。明日葉を水で良く洗い、丁寧に水気を切って(水分は拭き取らないで下さい)、薄力粉を入れたボールに入れて薄力粉をまぶし、そこへビールを少しずつ振りかけ、適度に湿らせます。フリッターの様に厚めの衣が好きな方は、ここで薄力粉とビールを再度振りかけて下さい。粉が残っていても構いません。ビールの代わりに水でも出来ますが、ビールを使うと魔法の様にカラッと揚がります。
小さい片手鍋に1~2cm位のオリーブオイル(もちろんサラダ油でも可ですがオリーブオイルの方がカラッと揚がります)を張り、180℃くらいに熱し、ひとつずつ揚げます。油が浅いのでスプーンで揚げ油をかけながら揚げて出来上がりです。
仕上がりは揚げ油が少ないので、写真の方に多少平たくなりますが、お味には全く問題がありません。残った揚げ油は翌日の炒め物などに使えます。残ったビールは明日葉の天ぷらと共に頂きます。
お味の方は、やさしい明日葉の苦味と天ぷらの衣の歯ごたえのバランスがとても良く、明日葉の苦味がなぜかビール(今日はスーパードライ)の余分な苦味を相殺してくれるので、ビールの進む酒の肴でした。新鮮な明日葉のお陰です。ありがとうございました。
新鮮な明日葉を見つけたらぜひお試しを。

また、鎌倉投信は今までにないタイプの素敵な投資信託会社だと思います。ぜひ一度、ビール片手にホームページをご覧になってみて下さい。
鎌倉投信ホームページ:http://www.kamakuraim.jp/

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2010年4月2日金曜日

御殿場高原ビール - 桜ビール

ALC. 5.0%? Japan brewed by 御殿場高原ビール
website: http://gkb.co.jp/gkb/menu/drink.html#beer
今日は中目黒のお店にて。期間限定ものの御殿場高原ビールの桜ビールです。私は初めての桜ビールですが、店長によると昨年のものより色は濃い目だそうです。お味の方は、よなよなエールをラガーで割った様なお味で、よなよなの苦味とフルーティさが穏やかになった様な、深みのあるビールです。まさに桜の色の様に、おとなしいイメージのお味ですが、香りは華やかです。
鮮度はもちろん新鮮で、全くビールにあってはならないお味はしません。
今日も美味しく頂きました。

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2010年4月1日木曜日

とうもろこしのフリッター

自由が丘のお店にて。とうもろこし一本分だそうです。とても軽くさっくり揚がっているので、フリッターというよりはお上品なかき揚げというべきでしょうか。よなよなと頂きました。これから暖かくなる季節にピッタリなお食事かもしれません。冷たいラガーなどにも合いそうです。

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ビールとエールとラガーとビター その1

ビール、エール、ラガー、あるいは、ビターといった言葉をよく耳にします。ところが、これらの名称は、時代と地域によって使い分けられてきました。それらの言葉の用法について、過去を遡りながら書き留めていこうと思います。

まずは現代の世間一般的な言葉の解釈から。

ビール - 発泡性のある、ポップやモルトのみで造られたものから発泡酒、第3のビールやノンアルコールビールまでの、エール、ラガー、ビターを含む飲み物の総称。酒税法上、発泡性酒類に該当するもの
エール - 主に上面発酵のビールの総称
ラガー - 主に下面発酵のビールの総称
ビター - エールの中で特にホップのきいた苦味の強いエール

ビールの定義に関しては、議論があるところかもしれません。酒税法上は麦芽の使用率が50%以上の飲料をビールとし、麦芽の使用率が25%以上50%未満を発泡酒、ビールにも発泡酒にも該当しないビール風味のアルコール飲料を第3のビールとしています。また、最近では、ノンアルコールビールも発売されるようになりました。日本地ビール協会のビアスタイル・ガイドラインには、第3のビールやノンアルコールビールは含まれておりませんし、これらの飲料はビールには含まないという考え方もあると思いますが、広義のビールの仲間と考えてよいのではないでしょうか。

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次回はある一定の時期にまでさかのぼって、ビールとエールとラガーとビターの言葉の解釈の遍歴を書きたいと思います。

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