2012年6月21日木曜日

アフターファイブ

   「アフターファイブ」と日本語で言うと、夕方5時以降の時間帯をさしますが、ここではその話題ではなくてビルダー(大工さんとでも言いましょうか)とのやり取りの話。

    特に最近ロンドンでは英語を母国語とするイギリス人のビルダーは無に等しく、私も人のことは言えませんが、みな英語は片言なのです。今日、屋根とトイレと窓の修理にやって来たビルダー達のボスがその片言英語で、その手下どもは英語を全く話せない人ばかり。その手下たちとは、親指と小指を立てて「電話」と言ってみたり身振り手振りでコミュニケーションを試みるのです。

   その手下どもだけを残してボスは立ち去り、ガタガタ音はするものの、一向に終わる気配がありません。随分かかるなぁと思いつつ、しばらくするとその手下どもの一人が「ア~」と言いながら私と話をしようとやって来ました。そのビルダーは、ビルダーが使いそうな用語は多少知っているとは言えやはり究極の片言英語で、どうやら部品を交換しなくちゃいけないと言っているという事までは身振り手振りで解釈したものの、次回のアポをいつにするかという段階で今日の夕方か明日の午前中という話になり、「明日の朝は都合がつかない」と伝えたいのですが、全く理解してもらえず、ボスの電話番号をもらっていたので、そのボスに電話をするという旨を何とか伝え、その手下どもは帰って行きました。

   そのボスに電話し、事情を話すと「今部品を買いに行っているから、部品があればその後に手下を送るよ。また後で電話する」との事。暫くして電話がかかってきました。「部品があったから同じ手下がアフターファイブに到着するよ。」と言うのです。英語でも"after 5"と言えば夕方に限らずですが日本語と同じく「5時以降」をさし、その時点で4時近かったので「分かったわ。5時以降に来てくれるのね」という意味で"so he will be back after 5 o'clock?"と返事を返しました。

     しかしそのボスは「違う違う、アフターファイブだってば」と"after 5"を連呼するのです。「は?」と目が点になりつつ、その手下との身振り手振りのコミュニケーションの中で指を5本と10本立てて「ミニッツ」と言っていた事を思い出し、「あ、5分後って言う事ね」という意味で"You mean he will be back in 5 mins, don't you?"とそのボスに返答をすると、「だから最初からアフターファイブって言ってるじゃないか」との事。

   そのボスは別に悪い人という事ではなく、この様な事はスーパーのレジや店頭でもよくある事で、そういう人たちを見ていると、共通語である英語は喋った者勝ちなんだなぁとつくづく思います。ここで彼らの英語を指摘しても仕方ないのでそのまま聞き流しますが、日本人もこのくらい間違った英語を怖がらずに言い放つ事がコミュニケーションの上達に繋がるのかも知れないと、こういったことが起こる度に思います。

   ちなみに窓や屋根の修理はビルダーが行い、トイレなどの修理を行う人たちをプラマーと言いますが、トイレの修理をしていた人も自分はビルダーだと言っていた(と思う)ので、ここではあえて言い分けをしませんでした。

2012年6月13日水曜日

ロンドン パブマップ 作りました

    最近バラの世話に追われて忙しいと言いながらも、ロンドンのビールを効率的に楽しんで頂く為に、パブマップ作ってみました。右手とこのページ下に固定してあります。

   ピンクがパブ、青が観光地、緑は公園です。まだ調査していない所にも印がついています。これから少しずつ増やそうと思います。
 
ご覧になって頂いて使い勝手の感想をお知らせ下さると、
とても嬉しいです。

ロンドンの青空

     いったいどの位の間、太陽を見ていなかったのか忘れてしまうほど、雨続きのお天気だったので、今朝起きて朝日が差している光景を目の前についつい写真を撮ってしまいました。ロンドンに移り住んで一年が過ぎましたが、やたらとイギリス人が日に当たりたがる訳が分って来た気がします。東京にいると、特に夏の日差しは避けるものという感覚がありますが、こちらでは天候が悪く、めったに太陽が出ないので、日差しは当たって温まり楽しむものなのでしょう。

2012年6月1日金曜日

バラブログ

   以前にも書きましたが、バラのブログも書いています。東京ではバラの開花はゴールデンウィーク明けくらいの時期になりますが、こちらイギリスでは6月になります。ここ数日は最高気温20℃前後にまで下がりましたが、それ以前は25℃を超えて30℃に届きそうな日が10日ほど続き、開花が促進され4種類あるバラのうち既に3種類が咲きました。気温が上がった事によって、アブラムシやうどん粉病も活発になり、毎朝毎晩バラの手入れが欠かせない上に、毎日の様にブログを書いています。
   ご興味のある方はぜひそちらにもいらして下さい。

http://elizabeth-roses.blogspot.com/

2012年5月24日木曜日

フォリー・ベルジェールのバー

    先日のフォリー・ベルジェールのバーの解説を、記事の下の方に書き込みました。

http://elizabeth-beer.blogspot.co.uk/2012/04/blog-post_30.html

よろしければご覧になってみて下さい。

2012年5月4日金曜日

Pale Ale in bottle @ 我が家

    最寄り駅近くにあるウェイトローズというスーパーのビールの品揃えが入れ替わって、私の大好きなT.E.A.はなくなってしまい、かなりショックです(T_T)。その代わりにといっては何ですが、アルコール度数2.8%というビールがありました。その名もペールエール。お試し価格なのか、4~3%のビールの通常価格は2ポンド前後なのに対し、アルコール度数の低さもあって1ポンドだったので調査してみる事に。
 
   ダンナ様に見つけたビールの報告をしたら、「度数が低いから美味しくなさそう」というので、私一人で頂く事に。私は料理が出来ない上に嫌いなので、料理はダンナ様の仕事なのですが、今日はダンナ様の「ちらし寿司が食べたい」という訴えを受けて仕方なく私が作ることに。最近夕方になると力尽きてしまい、更にはカフェイン等を受け付けない体質から、お昼間はお水(正確にはお湯)しか口に出来ないので夕方にはお水に飽きてくるので、景気付けにこのペールエールを頂きながら準備する事に。

    我が家ではワインと共にビールもワインクーラーで冷やすので、冷蔵庫で冷やされたものよりも温度が多少高く、ビールの味を感じやすいのですが、一口頂いてみて味がしないのです。味がしないというか、まるで日本にあるノンアルコールのビールの様な、物足りない味がします。このノンアルコールのビールの味はどうやって説明したら良いのでしょう。形容詞の少ない私にはとても難しいです。
  
    いつもビール調査にはハーフパイントではなく、1パイントを注文して嗜むのですが、このビールも半分くらいから味が変わってきました。 温度が上がってきた為なのか、ホップとモルトのお味が出て、だんだんビールらしくなって来ました。アルコール度数の低いものはお味も弱い事が多いのですが、このビールはこの温度であれば美味しく頂けそうです。

    しかし、この一週間ほど気温が10℃を上回らない事が多く、ビールよりも温かいモルドワインを作って暖まりたいかもしれません。

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Pale Ale 2.8%
http://www.marstonspedigree.co.uk/otherales/pale-ale.aspx

ウェイトローズ - Waitrose
ペールエール - Pale Ale
モルドワイン - mulled wine
  

2012年4月30日月曜日

Adnams. Lighthouse @ the Wellington

    コートールド美術館にくる時は早い時間が多いので、美術館周辺でのビール調査をしていなかった事に気づき、今日は既に3時を回っていたので、コートールド美術館を出て左手に見えるウェリントンというパブへ早速調査へ。


入口にはニコルソンズのたて看板があり、ニコルソンズ系列のパブである事が分かりますが、オーナー会社が一緒でもそのパブによってビールの品揃えは違います。入って見ると私のマイビール、ロンドンプライドを始め、ドゥームバー、トゥリビュートなど、私好みのビールが並んでいます。それら4%前後のビールよりも更にアルコール度数の低い3.5%前後のビールが3種類あり、そのうちのライトハウスにしてみました。

    大通りが見える窓際のカウンターへ、グラス一杯に注がれたビールを自分の靴の上にこぼさない様に運びつつ、相変わらず飛び乗らないと座れなさ


グラスに泡のシマシマが
出来るのはビールが
美味しい証拠?!
そうな背の高い椅子に陣取り、ビールが落ち着くまでぼんやりと待っていると、バーカウンターの方から聞き慣れたスコットランドアクセントの声が。振り返ると普段行っているオールドスピタルフィールドのアンティークマーケットで出店している銀製品のディーラーが、ここからすぐ近くのコベントガーデンでも出店していて、仕事終わりなのかビールをオーダーしていました。一人だったら声をかけようと思ったのですが、お連れの方に気を遣っている様だったので、静観する事に。ところがそのスコットランド人はゴールド色のビールを頼んでいるのです。スコットランドには美味しいスコティッシュエールというモルトの効いた素敵なビールがあり、なかなかロンドンでは見かけませんが、スコットランド人がホッピーなビール手にするイメージがなかったので、かなりショックです。
   と、勝手なイメージに打ちのめされている内に私のビールは落ち着き始め、自分の心も鎮めて頂く事に。アルコール度数が低い割にはモルト・ホップ共にお味はしっかりしていてサラサラと頂く感じではないので、アルコール度数の低いビールに物足りなさを感じる人にもお勧めです。

    また、ニコルソンズのパブは食事のメニューがだいたいどこも同じです。お味の方はパブフードなので多くは望めませんが、一度は試して下さい。ジャガイモは日本のジャガイモより美味しいです。メニューの写真を撮りましたので、ぜひクリックして大きいサイズで見てみて下さい。これがイギリス料理と言っても過言ではありません。


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 the Wellington
351 Strand,
London, WC2R 0HS
http://www.nicholsonspubs.co.uk/thewellingtonstrandlondon/

Adnams. Lighthouse 3.4%
http://adnams.co.uk/beer/cask-beer/adnams-lighthouse-now-available-in-cask

オールドスピタルフィールド - Old Sptialfield
コートールド美術館 - Courtauld Gallery
コベントガーデン - Covent Garden
ドゥームバー - Doom Bar
トゥリビュート - Tribute
ニコルソンズ - Nicholson's
ライトハウス - Adnams. Lighthouse
ロンドンプライド - London Pride

   

フォリー・ベルジェールのバー


  コートールド美術館は毎週月曜日午後2時まで入場無料なのですが、週末の疲れと悪天候続きで、最近月曜日は家にいて出かけていませんでした。私の友人チャーリー氏が寄せて下さった解説以上の事はないと思いつつ、今日はここの学生による15分程のフォリーベルジェールのバーについてのトークがあるので、ちょっと重たい体を引きずって行ってみる事に。




2010年に東京で展示された習作
   しばらくすると、ここでPhDを取得中というアメリカ訛りの若いお嬢さんがやってきました。ほとんどの説明はチャーリー氏の解説の中に書かれているものでした。昨年春にこの階が改装になってから、この絵の説明書きに習作のうちのひとつが小さく載る様になり(上記写真)、X線写真によって習作の中のバーメイドの様に、このキャンバスにも当初バーメイドの顔の向きや手の位置が違っていた事が確認されたなどの説明がありました。


さてここで質問です。
下記に上げた3点の解釈を想像してみて下さい。

1.なぜ中央に立つバーメイドは美しい中にも物憂げな悲哀な表情をしているのか。
2.なぜバーメイドが絵全体からして大きく目立つ存在にあるのか。
3.なぜバーカウンターにあるボトルは商品であるはずなのに、どのボトルも空いておらず、それらを注ぎいれるグラスも描かれていないのか。

それらの答えになるヒントがチャーリー氏の解説にも含まれています。

フォリー・ベルジェールのバー 解説 1/3
フォリー・ベルジェールのバー 解説 2/3
フォリー・ベルジェールのバー 解説 3/3

更なるヒント;
1.この絵はマネが最期に描いた絵であること。
2.マネはサロン出展にとてもこだわっていたこと。
3.経済発展中のこの時代背景。
   
答えは下記に。


2012年4月24日火曜日

Seafares Ale @ The Viaduct Tavern

     ここ2週間ほど雨続きで気分は全く晴れませんが、今日はお昼過ぎに私の親愛なる大の仲良しの飲み友達からメールが届き、雨だからと言ってしんなりしている場合ではないと気を取り直し、傘を片手にセントポール大聖堂へ。到着したのは2:45pmごろでしたが、受付で「今日は3時半で閉まるわよ」と、普段であればあと1時間半以上はあるはずだったのですが仕方がないので早々に用を済ませて、以前バスで通りかかった時に見かけたフラーズのパブへ。
     店内が暗くて外からは良く見えないまま入り口を入ってみると既に4時近いというのに店内はガラガラ。こちらは夕方4時にもなるとどこのパブもそれなりに人が集まってくるので、足を踏み入れたものの、急にビールのお味に不安を覚えました。軽く店員と話をして「今日は気に入ったビールがないわ」と言ってそこで引き返す事も出来るのですが、セントポール大聖堂での作業の続きをするには最適の環境だったので、調査を進める事に。


       更には回りを見渡してみると店内には3人しかおらず、ラガーが一名、ギネスが一名、紅茶が一名と、私の好きなビター・エール系のビールは今日既に開いているのだろうかと更に不安になりながら、最近のマイビール、シーフェラーズを注文してみました。更にはあまりにも泡切れが早いので、不安は最頂点に達したものの、その不安の高まりも手伝ってか、いやな香りもなく温度も適温で、思いの他美味しく頂くことが出来ました。
     この地域はその昔、債務不履行に陥った人たちを収監する為の牢屋だったそうで、地下のセラーには未だにその当時の檻の一部が残されているとか。一度見てみたいものです。
      しばらくするとキチンとネクタイを締めた年配の紳士がやって来て白ワインを注文し、私の隣のテーブルに座ってノートを取り出し何やらペンを走らせ、ほぼ同時に入ってきたこちらも身なりの整ったご婦人がソファの席で紅茶を楽しみつつ、携帯電話を眺める訳でもなく数少ない店内の客に目を走らせ、人々のそれぞれの午後を傍観していました。

      4時半も過ぎるとさすがにサラリーマン風の人々がちらりほらりと集まる様になり、カウンターの周りの人だかりが少しずつ増え、一番最初に到着してしまったのであろう仕事帰りの若いお嬢さんが、これからやって来る友人達の為にギネス、ステラ、ハニーデューとジンジャーエールを注文し、大きなテーブルにその4杯分のグラスを並べ飲み物に手をつけることなく、そわそわしながら友人達の到着を待ち、年配の紳士は2杯目の白ワインを空け早々に出て行き、私も5時の列車に間に合う様に支度をし、もう一人のご婦人の前を前を通る時に彼女の視線を感じたので「have a good evening」と軽く挨拶を交わし、彼女の笑みに応えながら店を出ました。

      傘を手に出かけたのですが、雨に当たることもなく空は明るくなり、しまいには雲の切れ間から太陽の日差しが差し込んできました。久しぶりの太陽の日差しにありがたみを感じると共に、いつも後押しして下さる私の親愛なる大の仲良しの飲み友達に感謝です。ありがとうございました。

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The Viaduct Tavern
126 Newgate Street,
London, EC1A 7AA
http://www.fullers.co.uk/rte.asp?id=4&itemid=316&task=View

Seafarers Ale 3.6%
http://www.fullers.co.uk/rte.asp?id=140

ギネス - Guinness
シーフェラーズ - Seafarers Ale
ステラ - Stella Artois

セントポール大聖堂 - St. Paul's Cathedral
ハニーデュー - Organic Honey Dew

フラーズ - Fuller, Smith & Turner P.L.C.
  

2012年4月14日土曜日

クロヤマノヒトダカリ

    今日は土曜日なのですが、毎週木曜日にアンティークのマーケットがたつオールドスピタルフィールドのマーケットにダンナ様が行きたいと言うのでメトロポリタンラインにてリバプールストリート駅へ。ベーカーストリート駅に到着するとまだ朝も11時なのにプラットフォームにお巡りさんの姿。何事かしらとふと反対側のプラットフォームを見ると黒山の人だかり。電車が遅れてるのかと思いきや、その黒山の人だかりは歌を歌い出す始末。その黒山の人だかりをよく見ると、赤いTシャツを着た人があちこちに。
    このメトロポリタンラインを北上すると、ウェンブリーパークと言う駅があって、そこにサッカー競技場がある事を思い出しました。

    お巡りさん達はこの黒山の人だかりが、フーリガンと化さない様にとにらみを利かせているのかも知れません。ジュビリーライン沿線住人として時々この黒山の人だかりと同じ車両に乗り合わせますが、比較的サッカーファンは紳士的です。
    数年前、スーツケースと共に黒山の人だかりで一杯だった車両に乗り込まなくてはいけなかった時も「みんな~!お嬢さんがスーツケース持ってるからスペース空けて~!」と子供連れのお父さんが叫んでくれて、それに若者たちが従ってスペースを作ってくれました。
    時には黒山の人だかりが暴徒化した映像がニュースなどで流れますが、そういったイメージを解消しようと、日頃から神経を使ってくれているのかも知れません。一般市民としてはありがたい事です。
    「黒山の人だかり」と形容したものの、黒髪の人は少ない上に丸刈りにしている人も多いので、厳密に言えば「黒山」ではないですね。また一つ直訳出来ない日本語発見です。更には群がっているという様には見えないので、正確に言うと「黒山の人だかり」ではありませんね。良い形容詞が見当たりません。
   しかしカタカナで「クロヤマノヒトダカリ」と書くと、新しいビールの名称の様に聞こえます。


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ウェンブリーパーク - Wembley Park
オールドスピタルフィールド - Old Spitalfield
ベーカーストリート - Baker Street
メトロポリタンライン - Metropolitan line
リバプールストリート - Liverool Street

2012年4月6日金曜日

Spring Sprinter @ The White Horse

    今日は以前から休日の午後に調査したいと思っていたパーソンズグリーン駅近くのホワイトホースへ。ここにはたくさんのドラフトビールがあって、所狭しとビールのポンプが並んでいます。先ずは一通り眺めてみようとアルコール度数を確認しながら眺めていたら、春の訪れを告げる季節限定フラーズのスプリングスプリンターを発見!一杯目は3%台のアルコール度数の低いビールをと思っていたのですが、今日はホッピーなビールの日だそうで、私の求めるモルティーなビールはなく、4%のスプリングスプリンターに。
     これもモルティーとは言えないビールですが、マスカットの様な風味・後味がするので、ホップの苦味をほとんど感じません。状態も良いようで、臭みもありません。口当たりが優しいので、4%もの強さを感じず、サバサバと口に運んでしまいますが、前回頂いた時の様に足がふらついてもいけないので、ゆっくり頂きました。アフタヌーンティならぬアフタヌーンビールには最適です。
    店内はとても広くあちこちにソファやテーブルが置いてあり、店内奥は食事のスペースになっています。今日はホップビールの日だった事もあり、広い店内がバギーに子供を乗せた家族連れや若者で溢れかえっていました。冬物のコートを着込まなくてはいけなかった今日の様な天気でなければとても心地良さそうな広いスペースが室外にもあります。店内の様子はサイトよりご覧下さい。

    スプリンスプリンターをお替りしてしまったので、他のビールに関しての調査は出来ませんでしたが、白ビールやランビックなどのフルーツビール、もちろんラガーやボトルもバラエティ豊富に揃っています。自宅からはちょっと距離がありますが、また訪れてみたいと思います。

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The White Horse
1-3 Parson's Green
London | SW6 4UL England

http://www.whitehorsesw6.com/
 
Spring Sprinter 4.0%
http://www.fullers.co.uk/rte.asp?id=387

スプリングスプリンター - Spring Sprinter
パーソンズグリーン - Parsons Green
  

2012年4月5日木曜日

コップの下からビール?

     こんな記事がNHKに載っていました。保守的な私は上からついで欲しいと思いますが、お味の方はいかがなものでしょう。イギリスで開発されたとありますが、まだ見た事はありません。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120405/t10014246111000.html

2012年2月22日水曜日

Seafarers Ale @ Old Bank of England*

この写真はパブの西側から撮ったものなので
セントポール大聖堂はこの方向にあります。
    セントポール大聖堂を出てフリートストリートに向かって歩きながら、どの駅から地下鉄に乗って帰宅しようか考えつつ通りを眺めていたら、10年くらい前に入ったオールド・バンク・オブ・イングランドというパブが目の前に見えて来ました。既に午後4時半過ぎようという時間でしたが、ダンナ様はまた残業で早くは帰らないだろうし、最近ビールの話題をここに提供していないし、ランチをせずにジョンソン博士の家セントポール大聖堂を回り、そろそろエネルギー補給したいと思っていた所だったので調査してみる事に。言い訳ではありませんが、カフェインを全く受け付けない体を持つ私はディカフェのコーヒーや紅茶を頂くことが出来ず、最近ではコーヒーの香りすらも気持ち悪くなってしまうので、カフェでランチをする事もままならない為に、パブにたどり着く事が多々あります。


    名前にバンク・オブ・イングランドとあるので、イングランド銀行が以前にここにあったのかしらと思いたくなりますが、そうではない様で(イングランド銀行は1694年に創設されて以来、バンク駅周辺のシティ中心に所在しています。)名前の由来に関しては宿題とさせて頂きますが、店内の造りからすると以前銀行であった事が分かります。ここに限らずイギリスのあちこちで元銀行だった建物がレストランになったりパブになったりしていますが、ビクトリア調の高い天井が大好きな私にとっては、そのインテリアもビールの味を左右しかねません。(笑)
    ここはロンドンにあるフラーズというビール醸造所が所有又は提携しているパブなので、フラーズのビールが所狭しと並んでいます。奥から、ロンドンポーター、ESB、ディスカバリー、シーフェラーズ、チズウィック、ロンドンプライド、少し離れてハニーデュー。フラーズファンとしては何ともすばらしい眺めです。


    基本的な私のマイビールはロンドンプライド4.1%なのですが、それよりもアルコール度数が低い上に、日持ちも良く、いつもある訳ではないシーフェラーズ3.6%が最近の私のマイビールとなっています。
    お味の方は、一杯目に頂くビールに最適な穏やかな味わいで、ホップもモルトも主張し過ぎず、食事なしでビールを堪能するには最適です。このパブは大丈夫でしたが、このビールは冷えていると、このほのかな味わいが消えてしまうので、もし冷えたシーフェラーズが出てきたら、最初は手のひらで温めながら召し上がって下さい。
    そろそろエネルギー摂取を求め始めていた体に、美味しいビールを主食の様に頂く私はやっぱりゲルマン民族だったのでは?と思いを馳せていたら、こういう日に限ってダンナ様から「電話会議がキャンセルになったから今日は早く帰る」とメール。料理はダンナ様がするものの、買出しは私の仕事なので、ビールを無駄には出来ないと思いつつ時間を逆算しながら早々に帰路に発ちました。

注釈* - ここでは店名をOld Bank of Englandと表記しましたが、インターネットのページによってはThe Old Bank of Englandと表記される場合もあります。また、ビールの日本語表記は呼称で、正式名称は下記の英語表記となります。

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Old Bank of England
194 Fleet Street
London EC4A 2LT England

http://www.fullers.co.uk/rte.asp?id=4&itemid=192&task=View

Seafarers Ale 3.6%
http://www.fullers.co.uk/rte.asp?id=140

イングランド銀行 - Bank of England
シーフェラーズ - Seafarers Ale
ジョンソン博士 - Dr Samuel Johnson
セントポール大聖堂 - St. Paul's Cathedral

チズウィック - Chiswick Bitter
ディスカバリー - Discovery
ハニーデュー - Organic Honey Dew
フラーズ - Fuller, Smith & Turner P.L.C.
フリートストリート- Fleet Street

ロンドンプライド - London Pride
ロンドンポーター - London Porter
  

セントポール大聖堂 その1

    ジョンソン博士の家を訪れた後にセントポール大聖堂へ。フリートストリートへ戻り、東へ向かうと既にセントポール大聖堂のドームが見えてきます。フリートストリートからセントポールチャーチヤードと通りの名前が変わり、この通りに残る昔ながらのお店を眺めながら歩いていると気がつけば目の前に巨大な建物がそびえています。
    抗議行動を続けている人たちのテントが張られていて、その方達用なのか大きなゴミ箱らしきものがあって、これ以上後ろにさがるとそのゴミ箱が写ってしまうので、今日の所はこんな感じのアングルです。館内は写真撮影禁止なので、ここから先は皆さんのご想像にお任せします。
    先日発見したのですが、ロンドン在住であれば、入場料14.50ポンドで1年間入場可能なチケットが購入出来るとの事。近所に来た時に訪れようと思いながら今日になり、最終入場が午後4時なのに既に午後3時近かったのですが、1年間有効なチケットでまた来訪すれば良いと思い行ってみました。
    90分の無料ガイドツアーが日に何度かあり、本日最終のガイドツアーは終わっていたのですが、ボランティアのガイドの都合が合えば15分から30分位のツアーをお願いする事も出来るので、インフォメーションに行ってみました。運よく学校の先生をしていたというボランティアに一階部分の説明をマンツーマンでガイドして頂きました。
    とても大きな大聖堂なので30分で全ての説明を受ける事は難しいのですが、この大聖堂の設計者クリストファー・レンの苦悩や、第二次世界大戦時ドイツの空襲によって北袖廊のドームから降ってきた爆弾で破壊された写真、更にはドーム頭上にあるモザイクひとつひとつに角度をつけて光の反射をコントロールしていたり、ガイドつきではないと入れない場所に入れて頂いたり、マンツーマンでもあったので、女性特有のくだらないおしゃべりもしながら、あっという間の30分でした。

   唱詠晩祷(evensong)が午後5時からで午後4時半には閉館してしまうので、ガイドして頂いた後に囁きの回廊ではなく地下にあるクリプトと呼ばれる地下室へ。ここにはイギリスに貢献したたくさんの方の記念碑や墓所などがあります。イギリス18-19世紀の画家JMW・ターナーが、自分の遺体をセントポール大聖堂に眠るジョンソ博士の友人でもあるロイアルアカデミー初代会長のジョシュア・レイノルズの隣に埋葬して欲しいと遺言に残した事は有名で、百聞は一見にしかずとばかり一番奥の南東の角へ。
    日本人の感覚からすると墓石の上を歩くとは罰の当たりそうな行為ではありますが、薄暗い地下室の床のあちらこちらに墓石があり、国が違うとはいえ何とか踏まずに歩けないものかと、それでなくてもデコボコな薄暗い廊下を怪しいアジア人がよたよた歩いていると思われてるかしらと思いながら南東の角へ到達。あまり目が良い方ではないのですが、あまりにも薄暗くて足元にある墓石に体を屈めながら、比較的痛みの少ない白っぽいターナーの墓石を発見。
    同じ並びに材質の違う墓石がいくつかあり、右からレイノルズ、ジェイムス・バリー、ターナー、ジョン・エヴァレット・ミレイと亡くなった順にイギリスの画家たちが並んでいて、同じ並びではあるものの、ターナーはレイノルズの同じ並びではあるものの隣ではない事を発見。てっきり隣に並んでいる事を想像した私はちょっと驚いてしまいましたが、バリーが亡くなったのは1806年でその年には埋葬されているので、1851年に亡くなったターナーはバリーの隣になる事を知っていたのでしょうか?現在レイノルズの右隣には、近くにある礼拝堂用の椅子が並んでいますが、そこには墓石らしきものはありません。私だったらどちらにしても人に踏まれる位なら椅子の下でも良いので隣に埋葬して欲しいなぁと思いますが、そう思うのは私だけでしょうか。

    地上に上がると午後4時を過ぎたくらいなのに既に片付けが始まっていて、早く退館して下さいと言わんばかりに見えないプレッシャーをかけられ、主祭壇に一礼をし大聖堂を後にしました。どちらにしても1日では回りきれないほどの大きさなので、また日を改めて訪問しようと思います。
   学校の先生だったガイドさんに、「夏が来ると混んで来るから夏前にまたいらっしゃい」と声をかけられ「また近いうちに来ます」と返しました。もう3月だという事を考えても本当に早々に再来館しないと混んできてしまいます。

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St Paul's Cathedral
St Paul's Churchyard
London EC4M  8AD England

クリストファー・レン - Christopher Wren
クリプト - Crypt
ジェイムス・バリー - James Barry
ジョン・エヴァレット・ミレイ - Sir John Everett Millais
ジョシュア・レイノルズ - Sir Joshua Reynolds
ジョンソン博士 - Dr Samuel Johnson
JMW・ターナー - Joseph Mallord William Turner RA
セントポールチャーチヤード - St Paul's Churchyard
フリートストリート- Fleet Street
  

ジョンソン博士の家

   今日は以前から興味のあったジョンソン博士の家へ。まるで友人宅に遊びにいったかの様ですが、ジョンソン博士とは18世紀に英語辞典を編集した事で有名で、その辞典を作成した家がロンドンのシティエリアの西端に未だに残っています。20世紀初頭には建物の痛みが激しかった為に過去の面影を残しつつ修復工事がなされ、更には徒歩圏内にあるセントポール大聖堂と同じく第二次世界大戦中に空爆を受けているので、戦後にも修復作業がなされた状態の建物ではありますが、18世紀にジョンソン博士らが活動していた姿が容易に想像できる建造物となっています。
   ジョンソン博士に興味があったというよりは、ジョンソン博士は紅茶好きでも有名で、ジョンソン博士の友人がジョンソン博士をもてなした時に使っていたといわれる18世紀当時のティーポットがここに展示されており、更にはジョンソン博士が同世代のイギリス画家でロイアルアカデミー初代会長のジョシュア・レイノルズの友人だった事を知り、行ってみる事に。


   チャリングクロスからテムズ川沿いに東へ伸びるストランドという通りが王立裁判所の前辺りまで続き、そこからセントポール大聖堂の手前の大きな交差点まで続くフリートストリートとという通りの真ん中辺りに位置しています。フリートストリートから北側に道を一本入るのですが、車は無論のこと、向こうから肉付きの良い紳士がやってくると体を縦にしたくなる様な細い薄暗い道を通り抜け、更に左手方向にしばらく行くとスクエアが開けていて、その左手奥にジョンソン博士の家がありました。


    過去には正面に見える入り口が玄関だったと思われますが、現在の入り口は向かって左にある門を通った建物脇にあり、呼び鈴を押すと鍵を開けてくれます。
    扉を開けると目の前にリタイア後ボランティアで活動しているのであろうご婦人が受付に座っていて、「建物の中もご覧になる?」とばかりに問いかけられました。ほとんど人気がなく静まり返っているので、イギリスお決まりの天気の話をしながら、「ジョンソン博士はここにどの位住んでいらしたんでしたっけ?」と、あまり意味もなく聞いてみました。「えっと、確か・・・」とすぐ答えが出て来ない様で、そんな質問をしてしまった私は申し訳なさに「辞典を作られた時期にいらしたのでしょうから10年前後なのでしょうね。」と助け舟を出してみたものの、そのご婦人は顔を赤くしマニュアルをパタパタとめくり、「今日で2日目なので良く分からなくてねぇ。」との返答。「誰にでも初日はありますから・・・。」と言いながら4.50ポンドを支払い、まずはティーポットのある2階*へ。

   カフェインのため全くコーヒー紅茶を楽しむ事が出来なくなった私ですが、20代の頃は茶器が好きで貯金が出来る度に茶器を買い揃え、いつか小さなヴィクトリアン調の飾り棚に飾りたいと思いながら今でも取り出しては眺めている私なので、18世紀のティーポットをアンティークのテレビ番組で初めて見た時は本物も見てみたいと 
思いました。この時代、紅茶は高級品であった為か、ティーカップが現在のそれより一回り小さく、ティーポットは更に小さいサイズで、注ぎ口の部分が銀で出来ています。製造者を確認せずに来てしまいましたが、その時代に流行った中国製茶器のデザインを真似て作ったヨーロッパ製の茶器のように見えます。銀製品磨きが好きな私にぜひ注ぎ口を磨かせて欲しいです。

   そのすぐ脇に、その当時、ジョンソン博士をはじめレイノルズ、エドマンド・バーク、オリヴァー・ゴールドスミスらが文学クラブと呼んで週に一度集っていた会の版画がありました。現物の写真も撮ったのですが、光の反射でうまく取れませんでしたので、ポストカードを入手しました。向かって左からジェイムス・ボズウェル、ジョンソン博士、レイノルズ、バーク、ディビット・ギャリック、パスカル・パオリ、チャールズ・バーニー、トマス・ワートン、ゴールドスミス。レイノルズ宅での様子です。

    最後に辞典のある最上階の4階*へ。この部屋は英語でgarret - 屋根裏部屋とされているので、もっと狭い部屋を想像していましたがそうでもなく、ここで6人の弟子達と辞典の編集作業を中心に行っていたとか。右手奥に見えるテーブルの上には辞典の初版の複製があり、自由に閲覧出来る様になっています。
最も有名な単語はオートミールの「オート」で、

oats; A grain, which in England is generally given to horses, but in Scotland support the people.
オート(燕麦);穀物の種類で、イングランドでは馬にエサとして与え、スコットランドでは人々が食している。


    ジョンソン博士はスコットランド人嫌いで有名なのですが、弟子のほとんどはスコットランド人で、そのうちの一人、後にジョンソン博士の伝記を残した事で有名なジェイムズ・ボズウェルはこの単語の解釈をみて、

Which is why England is known for its horses and Scotland for its men.
だからこそ、イングランドは優良な馬で有名で、スコットランドは優秀な人材で有名である。

    とやり返したとの事。ここにあったであろう長テーブルを囲んでそんな会話が交わされたのでしょう。どの時代になってもイングランド人とスコットランド人の間に流れるものはあまり変わらないのかもしれません。

注釈 * - イギリスでは日本の1階部分をグランドフロア(ground floor)と呼ぶため、ここで言う2階はイギリスではファーストフロア(first floor)、4階はサードフロア(third Floor)となります。
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Dr Johnson's House
17 Gough Square
London EC4A 3DE England

http://www.drjohnsonshouse.org/index.htm

エドマンド・バーク - Edmund Burke
王立裁判所 - Royal Courts of Justice
オリヴァー・ゴールドスミス - Oliver Goldsmith
ジェイムス・ボズウェル - James Boswell
ジョシュア・レイノルズ - Sir Joshua Reynolds
ジョンソン博士 - Dr Samuel Johnson
ストランド - Strand
セントポール大聖堂 - St. Paul's Cathedral
チャリングクロス - Charing Cross
ディビット・ギャリック - David Garrick
チャールズ・バーニー - Charles Burney
トマス・ワートン - Thomas Warton
パスカル・パオリ - Pasquale di Paoli
フリートストリート- Fleet Street
  

2012年1月12日木曜日

Deuchers IPA @ The Golden Lion

    観光地近くにでかける時はメインストリート(こちらではHigh streetと言います)から少し離れた所にあるパブへビールの調査に出かけるのですが、週末お休みというパブも少なくなく、ダンナ様の帰りが遅くなる日に平日のみ営業のパブへ調査に出かけます。
    今日は朝8時過ぎに家を出てアンティークマーケットに出かけたので、一日のスタートが早く、まだ2時でしたが、新調したばかりの靴も手伝ってすっかり疲れてしまったので、Green Park駅近くにあるThe Golden Lionへ。以前訪れた時に週末だった為に開いていなかったのですが、門構えが美味しそうだったので再度挑戦。入ってみると小ぢんまりしたバーカウンターの前にゆったりとしたスペースがあって、スーツ姿の紳士が背筋を伸ばしてグラスワインと共に遅めのランチをとっていました。
    バーカウンターに寄りかかって隣合った知らない人と話をするという感じではありませんでしたが、混んでいない事もあってか、バーテンダーも気さくでのんびりしています。

    頂いたのはDeuchers IPAで、IPAながらもモルト風味が強く、私の一番お気に入りのIPAかも知れません。お味はともかく、このグラスに残る泡の感じがとても美味しそうです。写真のコースターは私の家ビール、TEAのものです。