2010年5月21日金曜日

ビールとエールとラガーとビター その4

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 前回同様、ビターが表舞台に出るにあたり、いくつかの事柄について書き続けてみようと思います。
 
 過去の記述はこちらです。
その1 その2 その3

ルイ・パスツール Louis Pasteur (1822~1895)
 彼はフランスの細菌学者で、近代の細菌学に大きな偉業を残しました。ビールという観点からは、それまで麦汁がビールに変化する事は神の恩恵とまで言われてましたが、微生物である「酵母」が麦汁の中で発酵しアルコールと炭酸ガスを生み出すという化学的な根拠を、パスツールは化学的に解明したのです。

 この発見をビールの醸造所に付属する研究所で行い、さらにはビールの酸化の原因が雑菌にある事をも解明しました。1866年には低温殺菌法を意味する彼の名前のついた「パスツリゼーション」(Pasteurization)を開発し、これによって、アルコール度数の低いビールでも長持ちさせる事が出来るようになり、ビールのそれは勿論の事、牛乳・ワインなどの市場分布にも大きな影響を与える事となります。

 余談になりますが、ある書物にはパスツールを発酵研究に奮い立たせたのは、ちょうどその頃、ドイツで低温発酵させるラガーが開発され、フランスが敗北してしまったドイツに負けないビールを造りたいという思いがあったという話もあります。

 さらには、
・イギリス国内の鉄道網の発達 - 輸送がさらに迅速化
・ガラス税の廃止 – 手ごろな価格のガラスが生産されるようになり、それまでの陶製の器から、見た目にも華やかなグラスを使用するようになる
・ロンドン世界博覧会 - 第一回の万国博覧会。海外からも人が集まり、イギリスのエールが世界に知られるきっかけともなる
・ピルスナーの誕生 - 1842年にチェコのボヘミアで誕生。それまで生活の糧である意味合いの強かったエールが、だんだん嗜好品として生まれ変わるようになり、グラスの普及も手伝って、見た目の美しいピルスナー(ラガー)が人気を呼ぶようになる 

など、麦芽で作られたエールにホップが導入されたところから、この様な外的要因もあって現代のビールに至っています。

 これらの背景を元に、次回はペールエールとビターについて書こうと思います。

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