2012年2月22日水曜日

セントポール大聖堂 その1

    ジョンソン博士の家を訪れた後にセントポール大聖堂へ。フリートストリートへ戻り、東へ向かうと既にセントポール大聖堂のドームが見えてきます。フリートストリートからセントポールチャーチヤードと通りの名前が変わり、この通りに残る昔ながらのお店を眺めながら歩いていると気がつけば目の前に巨大な建物がそびえています。
    抗議行動を続けている人たちのテントが張られていて、その方達用なのか大きなゴミ箱らしきものがあって、これ以上後ろにさがるとそのゴミ箱が写ってしまうので、今日の所はこんな感じのアングルです。館内は写真撮影禁止なので、ここから先は皆さんのご想像にお任せします。
    先日発見したのですが、ロンドン在住であれば、入場料14.50ポンドで1年間入場可能なチケットが購入出来るとの事。近所に来た時に訪れようと思いながら今日になり、最終入場が午後4時なのに既に午後3時近かったのですが、1年間有効なチケットでまた来訪すれば良いと思い行ってみました。
    90分の無料ガイドツアーが日に何度かあり、本日最終のガイドツアーは終わっていたのですが、ボランティアのガイドの都合が合えば15分から30分位のツアーをお願いする事も出来るので、インフォメーションに行ってみました。運よく学校の先生をしていたというボランティアに一階部分の説明をマンツーマンでガイドして頂きました。
    とても大きな大聖堂なので30分で全ての説明を受ける事は難しいのですが、この大聖堂の設計者クリストファー・レンの苦悩や、第二次世界大戦時ドイツの空襲によって北袖廊のドームから降ってきた爆弾で破壊された写真、更にはドーム頭上にあるモザイクひとつひとつに角度をつけて光の反射をコントロールしていたり、ガイドつきではないと入れない場所に入れて頂いたり、マンツーマンでもあったので、女性特有のくだらないおしゃべりもしながら、あっという間の30分でした。

   唱詠晩祷(evensong)が午後5時からで午後4時半には閉館してしまうので、ガイドして頂いた後に囁きの回廊ではなく地下にあるクリプトと呼ばれる地下室へ。ここにはイギリスに貢献したたくさんの方の記念碑や墓所などがあります。イギリス18-19世紀の画家JMW・ターナーが、自分の遺体をセントポール大聖堂に眠るジョンソ博士の友人でもあるロイアルアカデミー初代会長のジョシュア・レイノルズの隣に埋葬して欲しいと遺言に残した事は有名で、百聞は一見にしかずとばかり一番奥の南東の角へ。
    日本人の感覚からすると墓石の上を歩くとは罰の当たりそうな行為ではありますが、薄暗い地下室の床のあちらこちらに墓石があり、国が違うとはいえ何とか踏まずに歩けないものかと、それでなくてもデコボコな薄暗い廊下を怪しいアジア人がよたよた歩いていると思われてるかしらと思いながら南東の角へ到達。あまり目が良い方ではないのですが、あまりにも薄暗くて足元にある墓石に体を屈めながら、比較的痛みの少ない白っぽいターナーの墓石を発見。
    同じ並びに材質の違う墓石がいくつかあり、右からレイノルズ、ジェイムス・バリー、ターナー、ジョン・エヴァレット・ミレイと亡くなった順にイギリスの画家たちが並んでいて、同じ並びではあるものの、ターナーはレイノルズの同じ並びではあるものの隣ではない事を発見。てっきり隣に並んでいる事を想像した私はちょっと驚いてしまいましたが、バリーが亡くなったのは1806年でその年には埋葬されているので、1851年に亡くなったターナーはバリーの隣になる事を知っていたのでしょうか?現在レイノルズの右隣には、近くにある礼拝堂用の椅子が並んでいますが、そこには墓石らしきものはありません。私だったらどちらにしても人に踏まれる位なら椅子の下でも良いので隣に埋葬して欲しいなぁと思いますが、そう思うのは私だけでしょうか。

    地上に上がると午後4時を過ぎたくらいなのに既に片付けが始まっていて、早く退館して下さいと言わんばかりに見えないプレッシャーをかけられ、主祭壇に一礼をし大聖堂を後にしました。どちらにしても1日では回りきれないほどの大きさなので、また日を改めて訪問しようと思います。
   学校の先生だったガイドさんに、「夏が来ると混んで来るから夏前にまたいらっしゃい」と声をかけられ「また近いうちに来ます」と返しました。もう3月だという事を考えても本当に早々に再来館しないと混んできてしまいます。

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St Paul's Cathedral
St Paul's Churchyard
London EC4M  8AD England

クリストファー・レン - Christopher Wren
クリプト - Crypt
ジェイムス・バリー - James Barry
ジョン・エヴァレット・ミレイ - Sir John Everett Millais
ジョシュア・レイノルズ - Sir Joshua Reynolds
ジョンソン博士 - Dr Samuel Johnson
JMW・ターナー - Joseph Mallord William Turner RA
セントポールチャーチヤード - St Paul's Churchyard
フリートストリート- Fleet Street
  

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