2010年3月6日土曜日

others - とりあえずビール論

 とりあえずビール論が思いの他あちこちでされている事を発見しました。”ビールに対して失礼ではないか。”という意見から、”「とりあえず」は「まずは」という意味であってビールが市民権を得ているという意味ではないか。”という友好的な意見まで色々あるようで、私なら何と答えるのだろうとふと思ってみました。
 確かに私も若かりし頃、課長が部の全員を連れ立って出かける時には、必ずと言って良いほどその課長が”とりあえずビールお願いします!”と、薄くなり始めた頭を撫でつけながら言っている姿を思い出します。更にはそのとりあえずビール論の中には、”家では使わないフレーズ”というコメントがなされており、確かにこのフレーズは家では使う必要がありません。
 とすると、このフレーズは、ある程度の人数の集団であり、得てして会社等の同じ目的を持った集団で使われる事が多い事から、この”とりあえずビール”というフレーズは農耕民族である日本人の傾向を的確に示している上に、ビールが1滴も摂取できない人は皆無に近いであろうという前提で(確かに私の周りにもビールが苦手な人はいても全く口に出来ないという人はいません)、ビールの後は好きに飲み物を注文すれば良いが、まずは着席早々に皆で同じビールで同じグラスを掲げて乾杯をするという、全員の一体感をあおり、宴会の開会式をする為の、オペラが始まる前のブザーの様な役割だと私は信じ、その”とりあえずビール”には目くじらを立てるのは止めるべきと結論付けようと思っています。
 とは言っても、ビールはワインよりも品質が変わりやすく、ビールを置いている店主は鮮度だけでなく、保存や輸送手段にまで気を配っている場合がある事を踏まえると、私も基本的には”とりあえずビール”はビールやその店主に失礼だと思っています。ある時、一見さんのお客さんがやってきて、ビールに物凄くこだわりのある店主に向かってそのお客さんは、”とりあえずビールちょうだい。”と叫んだ時に、その店主の顔がイラっとした瞬間を私は見た事があります。ビールを頂きたい時には”今日は何のビールがありますか?”といった問いかけをする事によって、たとえ知らないビールばかりだったとしても、そのビールと店主のビールに対する労に敬意を払う事が出来、さらには店主のお薦めが出てきたり、またはそろそろ鮮度が落ち始めてしまいそうなビールを消費させたい思いが店主から伝わったりと、それによって常時美味しいビールを頂く為の環境作りになる事を考えれば、この”とりあえずビール”というフレーズがTPOに注意を払って使われる事を願っています。
皆さんはいかがお考えでしょうか?

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